日本化粧品技術者会誌
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セミミクロ高速液体クロマトグラフの医薬部外品薬剤定量への応用
中村 悦子林 正人松岡 昌弘高松 翼
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1996 年 30 巻 3 号 p. 336-339

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抄録

医薬部外品の薬事申請用試験及び安定性を中心とした品質管理試験等には, 効率化のためグラディエントHPLC法による多薬剤同時分析法が多く用いられている。本報では, 溶媒使用量が汎用HPLCの1/10程度に削減可能なセミミクロHPLC装置を用い, 汎用HPLCで設定した分析条件の直接適用可能性及び分析精度等の基本的検討を行った。また, 実試料例として6薬剤配合の育毛剤を用い, 複雑なグラディエント法による定量分析への応用を検討した。保持時間の再現性は良好であり, 注入量の再現性に関しても2μl以上ではC.V.%1-2%程度であり, 良好であった。また, グラディエント法では, 高濃度有機溶媒領域で保持時間が若干早くなる現象が見られたが分離に影響はなく, 微量金属の影響を受けやすいヒノキチオールのピークに関しても良好であった。6薬剤配合育毛剤の定量分析において汎用HPLCの精度と同様な値であることが確認された。

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