日本化粧品技術者会誌
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パーソナルコンピュータを用いた, 乳化化粧料水相中のパラベン濃度の算出システムの構築
岡部 文市柿島 博
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1996 年 30 巻 4 号 p. 441-447

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抄録
パーソナルコンピュータを使用して, 乳化化粧料の水相中パラベン濃度を簡便に算出するシステムを構築した。乳化化粧料の防腐力には水相中防腐剤濃度が大きな影響を与えると言われている。そして, 水相中の防腐剤濃度については, 水相-油相分配の考え方を基に算出する方法が提案されている。
しかし, この方法は計算の手順が複雑である為, 多くの時間を必要とする。そこで, 処方値 (油相成分, 水相成分, 及びパラベン) をキーボード入力するだけで, 水相中のパラベン濃度が数値とグラフで表示される簡便なシステムを構築した。このシステムは表計算ソフト (MS-EXCEL for Macintosh ver. 5. 0) に数式とデータを入力して作成した。数式はBeanの式とKurupの式, 及び多価アルコールによる補正式を使用した。データは実測した単純系の油-水分配係数を使用した。
システム化により電卓等を使う方法に比べて算出時間の大幅な短縮が認められた。
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