日本化粧品技術者会誌
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水性ネイルエナメルの開発
細川 均福田 啓一菅原 享高野 敏堤 武弘澤田 道隆
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1997 年 31 巻 4 号 p. 403-412

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抄録

水性ネイルエナメルの開発には解決すべき技術的課題が多く, 長年の間化粧品技術者の夢であるとされてきた。なかでも最も克服が困難な点は, 化粧持続性の確保である。
ポリマーエマルジョンを皮膜形成剤とする水性ネイルエナメルにおいては, 持続性はポリマーエマルジョンの様々な物性に左右されるが, 著者らはポリマー粒子同士の不完全な融着が著しく持続性を低下させることを見いだした。
そこで, ネイルエナメルとして必要な室温での速乾性や皮膜強度等の条件を満足しつつ, 融着を完全なものとするために様々な検討を行った結果, 特殊な合成法によってあらかじめポリマー粒子内部に粒子間の拡散融合を促進する物質を局在させたポリマーエマルジョンが, 完全な融着を示し, かつ持続性も良好であることが明らかとなった。著者らはこれを融着促進型ポリマーエマルジョンと名付け, その諸物性や融着メカニズム, さらにこれを用いて開発された水性ネイルエナメルの特性等について検討を行ったので報告する。

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