日本化粧品技術者会誌
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ワイン組成を応用した化粧水の開発
副島 亜紀島村 公雄桑原 裕史青木 穣原武 昭憲池本 毅
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2000 年 34 巻 2 号 p. 127-133

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抄録

ワインはぶどうの種類や栽培方法, 醸造方法, 土壌, 天候, 保存方法等により, その味わいが大きく異なることが知られている。それは, 主成分であるα-ヒドロキシ酸・グリセリン・糖類の組成が大きく異なる点に起因すると言われている。ワインは飲用としてだけでなく化粧水用途として用いられてきた歴史もあるが, その皮膚への作用についてはあまり検討がなされていない。そこで, われわれは, ワインの化粧水としての機能について検討を行うことを目的とした。本研究では, 白ワインの成分組成が化粧水としての感触に及ぼす影響について検討するとともに, 特異成分の一つであるエチルグルコシドの刺激緩和作用について検討を行った。数種類の市販白ワインを塗布したときの感触を比較した結果, その感触は銘柄により大きく異なることが確認された。また, その組成分析を行うことにより, ワインの感触には糖類や有機酸の組成が大きく関与していることが明らかとなった。また, 白ワイン中に存在するエチルグルコシドにはα-ヒドロキシ酸の刺激を緩和する作用があることも示唆された。以上のことから, 白ワインの組成を応用することにより低刺激で感触に優れた化粧水が開発できる可能性を見出した。

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