日本化粧品技術者会誌
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化粧品に配合が禁止されている成分の分析法に関する研究: ビチオノールおよびジクロロフェン
徳永 裕司高 玲華内野 正安藤 正典
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2002 年 36 巻 2 号 p. 111-118

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抄録

ビチオノール (BL) およびジクロロフェン (DF) は薬事法により化粧品への使用が禁止されている。そこで, 意図的に化粧品に添加されたBLあるいはDFの定量法としてHPLC法を検討した。BLあるいはDFを添加した化粧水, 乳液, ボディーソープ, シャンプーをメタノールで希釈した後, その抽出物について, カラムとしてUnisil Q C18カラム (4.6mm i.d.×150mm), 移動相としてアセトニトリル/50mMリン酸緩衝液 (pH 3.5) 混液 (13:7) (BLの場合) あるいは (1:1) (DFの場合), 検出波長として306nm (BLの場合) あるいは227または286nm (DFの場合) を用いてHPLC法で分析する方法を検討した。BL 1-10μg/mLあるいはDF 0.1-1.2または1-12μg/mLの範囲において検量線を作成したところ, 濃度とピーク面積の間に良好な関係が成立した。化粧水, 乳液, ボディーソープ, シャンプーに添加されたBLあるいはDFは乳液Dの場合を除いてHPLC法で完全に定量できた。乳液Dの場合, 乳液中の賦形剤がHPLCクロマトグラム上のDFのピークを妨害した。そこで, 短いシリカゲルカラムで前処理して妨害物を除いた後にDFをHPLC法で分析する方法を確立した。

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