日本化粧品技術者会誌
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新しい撹拌方式による乳化粒子コントロール技術について
永井 康子麻 彪石津 敬司郎
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2005 年 39 巻 1 号 p. 26-30

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抄録

近年, 撹拌羽根を用いた撹拌機のみでなく, メディアを用いた湿式微粒化機や超高圧ジェットを活用した超微粒化機などが多用されているが, 多くの問題点を抱えており, 早期解決が望まれてきた。この問題解決に, 撹拌羽根を用いた撹拌機のコンセプトを崩さず取り組み開発されたのが, 薄膜旋回方式という撹拌方法である。これまでの高速撹拌機では撹拌羽根がおよそ周速30m/sを超えると, 処理物に撹拌エネルギーを与えられない「空運転」や「ボルテックス」と呼ばれる状態が起こるため, 微粒化に不可欠である高速化に限界があった。これに対し, 『薄膜旋回方式』と名づけられたフィルミックスの原理は, 周速50m/sを超える高速域でも, 処理物に撹拌エネルギーを与えることが可能であり, サブミクロン・数ナノメーターサイズまで微粒化ができることがわかった。さらに, これまでの撹拌機とは異なる撹拌エネルギーの投与方式は, 粒度分布を単分散に近いシャープな形にそろえたり, 分散後も液滴が再凝集しない等の特徴もみられた。

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