2020 年 27 巻 5 号 p. 28-34
長期的なアスリート育成(LTAD:Long Term Athletic Development)は、多数のモデルとその可能性を説く論文が存在するにもかかわらず、青少年スポーツプログラムにおける統一的な方法としての地位を得るまでには至っていない。単独の成功事例が複数あるとはいえ、LTADの体系的な活用はいまだ判然とせず、明らかに何か齟齬がある。LTADの活用には行動の変化が必要であるため、その観点をLTADの方法に織り込むことが重要である。本稿は行動科学から得られるいくつかの基本原理を考察し活用することにより、実社会におけるLTADの活用を推進する道を探ることにする。