トレーニング負荷のモニタリングをめぐって、近年、研究者の関心を集めているテーマは、プレーにおいて最も要求の高い時間帯(MDPs)である。しかし、MDPsの分析はまだ始まったばかりであり、概念的および方法論的な問題がある。本稿は、MDPsの分析に利用されている、多様な方法の概念的および方法論的な差異を明らかにし、統合することによって、MDPsに関するより広い観点を提供する。特に強調しておかねばならないことは、以下のとおりである。(a)MDPsについて現在入手可能な情報は外的負荷(特にランニングベースの尺度)にほぼ限られており、内的負荷を焦点とする研究はほとんど存在しない。(b)尺度は一変数によって分析されており、多くの変数が関与する可能性のあるMDPsの発生シナリオが無視されている。(c)MDPsは、個人的、戦術的-テクニック的、文脈的因子の複雑な相互作用によって、経時的に大きく変動する。(d)戦術的-テクニック的観点からのMDPsにおける文脈化に関しては、ほとんどエビデンスがない。したがって、MDPsを捉えるには、外的負荷をゲームの各瞬間や戦術的行動と相互参照することが適切であろう。ただし、試合ごとの変動性が内在することを考えると、固定されたベンチマークという考えは避けるべきである。専門職は、MDPsを補完的な処方戦略(ケーキ本体ではなく上に乗せるチェリー)として、トレーニングセッション(の一部で?)でMDPs(とその文脈)を模倣するとよい。ただし、そのような練習方法の実施可能性と有効性を調査する必要がある。
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