Strength and Conditioning Journal Japan
Online ISSN : 2759-0674
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特集
研究論文
  • 中馬 健太郎, 稲田 崚佑
    2026 年33 巻1 号 p. 11-17
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/01/01
    ジャーナル 認証あり

    本研究の目的は、日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)における試合中のランニングパフォーマンスと湿球黒球温度(Wet-Bulb Globe Temperature: WBGT)との関係を検討することであった。対象者はプロサッカー選手21名であり、1シーズンを通してGlobal Positioning Systemデバイスを装着してリーグ戦を行なった。試合中のランニングパフォーマンス指標として、総移動距離、0~8 km/h、8~16 km/h、16~24 km/h、24 km/h以上(スプリント)での移動距離、高強度加速回数、高強度減速回数を取得した。各試合のランニングパフォーマンスデータは、出場選手全員の値を合算し、チーム単位のデータとして利用した。試合中のWBGTは18.3±6.0 ℃(範囲:5.6~25.9 ℃)であった。試合中の各ランニングパフォーマンス指標とWBGTとの関係を検討した結果、スプリントを除くすべての指標で有意な相関関係が認められた(p<0.05)。これらの結果から、Jリーグの試合ではスプリントを除き、WBGTがランニングパフォーマンスに影響することが推察された。

From Strength & Conditioning Journal
  • McKenzie M. Hare, Kealey J. Wohlgemuth, Jacob A. Mota
    2026 年33 巻1 号 p. 18-25
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/01/01
    ジャーナル 認証あり

    消防士は、公衆安全を支えることに尽力する尊敬すべき社会の一員である。消防士の任務は身体要求が高く、一般人と比べると心血管疾患のリスクが高い。心血管疾患、肥満、高血圧は予防可能であるとはいえ、消防士は突出してリスクが高い。昼夜を問わず緊急事態に対応しなければならず、睡眠中断や睡眠不足に陥るため、健康や任務の遂行能力が損なわれる。しかし、認知機能にとっても労働パフォーマンスにとっても、適切な睡眠の量と質は不可欠である。睡眠の持続時間や質の低下は、任務の遂行能力に直ちに悪影響を及ぼし、傷害リスクをさらに増大させる可能性がある。不良な睡眠習慣は、慢性的な健康状態に負の影響を及ぼしてすでに懸念されている健康リスクを高める。睡眠衛生不良の影響と、不適切な睡眠への対処法を理解することで、慢性的な健康問題のリスクを低下させ、安定して任務を遂行することが可能になるであろう。本ナラティブレビューでは、消防士における睡眠不良の影響を明らかにして、質の高い睡眠衛生の管理方法を提供する。

  • Ryan L. Crotin, Ximena R. Iniguez, Erin M. Carlson
    2026 年33 巻1 号 p. 26-35
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/01/01
    ジャーナル 認証あり

    プロ野球においては、コアと肋間筋組織および脊椎を含む近位の傷害が、出場時間を失う第3の原因となっている。野球選手は、シーズンが長いこと、また一側性の回旋を伴う打撃や送球、投球を行なうことにより、椎間板ヘルニア、脊椎症、椎間関節症候群、腰椎骨折などのオーバーユース障害のリスクに曝されている。本稿では、傷害の疫学およびエネルギー伝達の動力学を含む、回旋動作のバイオメカニクスについて解説し、最小限の用具を使って傷害を予防するヒントを提供する。本稿の最終的な目標は、野球において、より優れた傷害予防とパフォーマンスの向上を提供するために、筋力とコーディネーションを改善するトレーニングの概念を提示することである。

  • Abigail T. Wilson, Kaitlyn Lyons, Christian Yapp-Shing, William J. Han ...
    2026 年33 巻1 号 p. 36-48
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/01/01
    ジャーナル 認証あり

    慢性的な筋骨格系の疼痛を抱える人にとって、エクササイズは安全で推奨される治療法である。医師の許可を得たあと、ストレングス&コンディショニング(S&C)専門職や医療専門職は、疼痛を有するクライアントにエクササイズを処方することがあるが、慢性的な筋骨格系の疼痛は適切なエクササイズ処方を決定する際の特別な課題となる。エクササイズは疼痛に対する介入として推奨されるが、運動中に疼痛が増大したり、活動中の部位に影響を及ぼしたりするため、これはエクササイズに参加する際の重大な障壁となりうる。さらに、疼痛体験に付随する生物心理社会的要因は、運動に対する反応に影響を及ぼす可能性があるため、この集団のケアのためにエクササイズ計画を立てる際には考慮することが必要である。S&C専門職は、疼痛緩和に対する期待や治療同盟など、エクササイズを提供する際の状況的要因が果たす役割も考慮する場合がある。本レビューでは、筋骨格系の疼痛を有する人に対するエクササイズに関して、現在のエビデンスを概説する。

  • Robert W. Pettitt, Nathan D. Dicks, Mark Kramer
    2026 年33 巻1 号 p. 49-59
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/01/01
    ジャーナル 認証あり

    3分間全力運動テスト(3MT)は、10年以上前に開発され、クリティカルスピード(CS)またはクリティカルパワー(CP)を超えて発揮される速度またはパワーにおいて、一時的疲労が発生するまでの時間を推定することができる。3MTは、高強度インターバルトレーニングの実施に用いることの妥当性が確認されており、負荷運搬の予測と処方に使用され、またシャトルランにおいても妥当性が確認されている。これらの処方は、運動強度を特定の最大値や予備量に対する比率ではなく、代謝パラメータに対して標準化することを可能にする点で新しい。研究の特定には、主要な検索エンジン(PubMed、Google Scholar、ResearchGateなど)および関連論文の引用を用いた。本レビューの目的は、3MTが開発されて以降、CS/CPの概念の応用に重点を置いて発表された研究の成果を概括することである。その上で、CS/CPの概念を、エクササイズ処方における運動の頻度、強度、時間、および種類に適用する方法について論じる。

  • Marika M. Korpinen, Devon Trieschock, Jennifer B. Fields, Andrew R. Ja ...
    2026 年33 巻1 号 p. 60-73
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/01/01
    ジャーナル フリー

    女性は前十字靭帯(ACL)損傷の受傷率が男性より高い。筋のアンバランス、特に大腿四頭筋に対するハムストリングス(H:Q)の筋力比におけるアンバランスは、ACL損傷のリスク因子と考えられている。本システマティックレビューの目的は、女性チームスポーツ選手における等速性のH:Q比を明らかにし、主に男性を対象とした研究において決定されたカットオフ値、すなわち従来的な筋力比(ハムストリングスの短縮性筋力:大腿四頭筋の短縮性筋力[CR])が0.6以上、ならびに機能的な筋力比(ハムストリングスの伸張性筋力:大腿四頭筋の短縮性筋力[FR])が1.0以上を満たすかどうかを確認することであった。分析の結果、CR(0.6)について、チームスポーツ(平均値±標準偏差[SD]:0.56±0.08)、フィールドスポーツ(0.57±0.08)、ならびにコートスポーツ(0.56±0.08)は満たしていなかった。CRはハンドボール(0.58±0.07)が最も高く、ソフトボール(0.47±0.06)が最も低かった。FR(1.0)について、チームスポーツ(0.69±0.14)、フィールドスポーツ(0.85±0.14)、ならびにコートスポーツ(0.65±0.14)は満たしていなかった。FRはサッカー(0.85±0.14)が最も高く、バレーボール(0.61±0.13)が最も低かった。大腿四頭筋に対するハムストリングスの筋力バランスを評価した結果、女性チームスポーツ選手はCRおよびFRのカットオフ値を満たしておらず、これはACL損傷のリスクを増大させている可能性がある。カットオフ値を下回るH:Q比は、ハムストリングスの筋力不足を示していると考えられる。専門職は、H:Q比の改善を目的とした筋力向上エクササイズを導入することが推奨される。

  • Santiago Zabaloy, Tomás T. Freitas, Pedro E. Alcaraz, Ryan White, Neil ...
    2026 年33 巻1 号 p. 74-85
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/01/01
    ジャーナル 認証あり

    スプリントで到達する最大の速度は、様々なスポーツにおける重要な要素である。そのため専門職は、レーザーまたはレーダーガン、タイミングゲート(TG)、および全地球測位システム(GPS)などの様々な機器を用いて、スプリントパフォーマンスを評価している。最大速度(Vmax)を評価する機器としては、ハイスピードカメラが最も高精度であると考えられているが、実用性と手頃な価格から、TGのほうがより一般的に用いられている。近年、GPSテクノロジーは応用性が高く、実際の状況下でデータを測定できることを主な理由として、スポーツ科学界の注目を集めている。しかし、フィールドチームスポーツにおけるGPSの妥当性、信頼性、および感度については、Vmaxの測定だけでなく、スプリントパフォーマンスにおける潜在的な変化の追跡に関しても、現時点でコンセンサスが得られていない。本稿では、特にチームスポーツへの応用に重点を置いて、Vmaxの測定におけるGPSテクノロジーの妥当性、信頼性、および感度に関する先行研究を詳細に検証した。さらに、Vmaxの潜在的な変化を評価するGPSデバイスの能力についても包括的に論じている。先行研究の結果を総合することで、本ナラティブレビューは、GPSデバイスを用いてフィールドチームスポーツ選手のVmaxを評価することの利点と限界に新たな光を当てている。

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