2022 年 10 巻 p. 81-90
本研究の目的は,教師の意図〈外〉として看過したままになっている子どもの学びを〈学ぶ側の様相〉を考察し,教師がそれを看過した要因を明らかにすることである。そのために,過去に行った小学校第6学年における物語型CM制作実践の再検討を行った。
本研究を通して,教師の意図〈外〉の学びを看過しないためには,(1)教師自身が己の内にある実践知を絶対視しないこと,(2)実践の価値は,教師と学習者(子ども)のあいだによって意味づけられることが妥当であり,そのためには実践について学習者との対話が重要であることが見えてきた。