1995年阪神淡路大震災を機に,1998年から2004年にかけて文部科学省企画の「強震動予測に必要な堆積平野地下構造調査」が行われ,それに微動探査法が使われた。文部科学省により公開された同調査の成果報告書を通覧し,この調査で微動探査法の担った役割,有効性,成果等を検証し,併せて「微動探査の現状と課題」について論考した。なお,今回の微動探査では,従来のSPAC法では説明不可能な位相速度が推定されている。これを表面波(レイリー波)の高次(複数)モードの混入による影響と考え,その因果関係をSPAC法の原点に戻って考察した。