物理探査
Online ISSN : 1881-4824
Print ISSN : 0912-7984
ISSN-L : 0912-7984
ケーススタディ
電気探査・表面波探査によるビーチロックの地下構造
─沖縄県名護市屋我地島沿岸地点での適用例─
鈴木 浩一川﨑 了久保 良介山口 伸治畠 俊郎
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 66 巻 4 号 p. 277-285

詳細
抄録

 沿岸域で適用可能な自己修復能力を持つ人工岩盤に関する研究は,環境に負荷を与えず低コストで海岸堤防を建設する上で重要と考えられ,自然材料(微生物,砂,貝殻,サンゴ片,海藻など)を用いて厳しい気象条件に耐えうる強度の人工岩盤を比較的短期間で形成させることを目標としている。その一つのモデルとして,熱帯・亜熱帯地域のサンゴ礁沿岸域に存在するビーチロックが着目されているが,その地下構造を明らかにした調査事例はほとんどない。そこで,沖縄県内に数多く分布が確認されているビーチロックの地下構造を地表面から非破壊で明らかにすることを目的に,電気探査法および表面波探査法を行った。また,ビーチロック試料を用いた室内試験によりその物理特性を計測した。その結果,ビーチロックはその下部にある未固結の砂層より明らかに比抵抗と弾性波速度が大きく,その厚さは最大1m程度で海側に近いほど厚さは増加する傾向があることが分かった。

著者関連情報
© 2013 社団法人 物理探査学会
前の記事 次の記事
feedback
Top