物理探査
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論文
重力偏差テンソルのgzz成分のパワースペクトルと平均境界層深度の関係
楠本 成寿東中 基倫
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2017 年 70 巻 p. 1-11

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抄録

重力偏差テンソルのgzz成分のパワースペクトルと平均境界層深度の関係を導いた。両者の関係は,片対数上で波数に対して非線形であり,従来の直線近似が採用された場合,平均深度は実際よりも浅く推定されることが判明した。本研究で得られた解を,中部九州の九重地域で取得された重力偏差テンソルのgzzのパワースペクトルに適用し,平均境界深度を推定したところ,重力異常のパワースペクトルから推定される平均境界深度と概ね調和的な結果を得た。一方で,我々の解は,低波数域については平均境界深度を推定できないという問題や,重力異常から推定される平均境界深度とほぼ同じ平均深度を与える波数域が,鉛直勾配では,高波数域に移動し,その幅が高波数域ほど広くなる傾向にあるという特性が示された。

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© 2017 社団法人 物理探査学会
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