2016 年 48 巻 p. 137-148
本稿では,子育て中の母親への面接調査を下に,父親の子育ての質的特徴について明らかにした。父親には何よりもまず職業人としての扶養役割があるという前提はあるが,それでも扶養役割だけでなく,いくつかの親役割を果たし,子育てに関わっていないということはなかった。しかし,その内容を見ると,子どもの身の回りの世話のようにほぼ毎日決まった時間に行うことが求められるものは母親が担っており,父親の子育ては限られたなかで行われていた。イクメンをブームで終わらせないためには,長時間労働の働き方の見直し,教育が課題として上げられる。