尚絅大学研究紀要 A.人文・社会科学編
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「教職実践演習」の研究
教員養成を主たる目的とする学部学科における「教職実践演習」とカリキュラム全体との関係への試論
生野 金三高木 史人香田 健治湯川 雅紀
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2020 年 52 巻 p. 37-60

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抄録

「教職実践演習」は,教員養成課程を選択した学生が最後に学習する科目である。学生が今までの学習において十分な学習成果が得られなかった部分を自覚させようとする目的を,この科目は持っている。そうしてこの弱点の克服を各学生がめざすものである。しかしこの科目は,2010年から施行された新しい科目であるために,今まで十分にその位置づけが議論されて来なかった。学生が教員養成課程で学んできて,十分に学習できなかった部分を知り,その学力不足の部分を補うために,どうしたらよいか。そこで,この科目が教員養成課程全体の中でどのような意義を持ち,どのような教育方法をとるのが良いかを明らかにしようと,この研究で我々は試みた。我々の結論は次のとおりである。この授業で重要なのは,教育方法をいくつか組み合わせて使用すること(トライアンギュレーション)である。我々はこの方法を知識の三角測量と呼ぶことにしよう。あるいは,Claude Lévi-Strauss が使い始めた術語に従って,我々はこの方法をブリコラージュと呼ぶことにしよう(これらを総合的に駆使しながら,さらに教職実践演習と研究演習とが車軸の両輪のごとく連関し合う方法を探るのが効果的であろうと考える)。

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© 2020 学校法人尚絅学園 尚絅大学研究紀要編集部会
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