日本生気象学会雑誌
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原 著
京都市近辺地域における住宅居住者の居間での休息姿勢
その体温調節行動的側面
松原 斎樹加藤 真理子藏澄 美仁大和 義昭松原 小夜子下村 孝
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2000 年 37 巻 2 号 p. 73-85

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抄録

本研究では,室内における居住者の休息姿勢の実態と,その体温調節行動としての側面について考察するため,京都市近辺地域の住宅居住者を対象として夏期·冬期にアンケート,及びヒアリング·室温実測からなる実態調査を行った.男性の姿勢は夏季は横臥,椅座,投げ足,あぐら,仰向けの順,冬季は横臥,椅座,あぐら,投げ足、仰向けの順に多かった。女性の姿勢は夏季は椅座、横座,投げ足,横臥,仰向けの順,冬季は椅座,横座,投げ足,横臥,仰向けの順であった.居住者は室内においても暑さや寒さに影響された生活をしており,団らん時にくつろぐ姿勢や場所などにその影響が見られた.冬季の場合,約77%,また夏季の場合は約58%が,暖かさや涼しさを求めて「くつろぐ位置」を決めている.また,LDK内の温度分布が大きく寒い場合,あるいは室温変化がより顕著な場合に,「くつろぐ位置」として「こたつの周囲」を,あるいは「くつろぐ場所」として「電気カーペットの上」を選択することが多いという傾向が見られた.居住者の住宅内部での住まい方には体温調節行動と解釈できる部分がかなり大きいことが明らかになった.

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© 2000 日本生気象学会
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