日本生気象学会雑誌
Online ISSN : 1347-7617
Print ISSN : 0389-1313
ISSN-L : 0389-1313
原著
口腔温による小児の体温の検討
―小児の低体温問題―
石井 好二郎
著者情報
ジャーナル フリー

2002 年 39 巻 1,2 号 p. 25-30

詳細
抄録

本研究は小児の体温の現状を明らかにするため,小学生(4~6年生)1,090名,中学生(1~3年生)453名,高校生(1~3年生)228名の起床時における口腔温を水銀体温計を用いて測定(5分値)し,以下の結果を得た. 1)小学生は35.30~37.40℃の間に分布し,その平均値は36.36℃(SD:0.33℃)であり,最頻値は36.4℃(14.1%)であった. 2)中学生は35.45~37.14℃の間に分布し,平均値は36.28℃(SD:0.23℃)であり,最頻値は36.2℃であった. 3)高校生は35.40~36.72℃の間に分布し,平均値は36.25℃(SD:0.3℃)であり,最頻値は36.3℃であった. 4)先行研究において低体温児と定義されている 36℃未満を示す者は,小学生145名(13.3%),中学生45名(9.9%),高校生39名(17.1%)であった.本研究はわが国で始めて,比較的大人数かつ正確に小児の口腔温を測定した研究といえる.今後は本研究と同条件で小児の体温を測定することにより,経年的変化を論じることが期待される.

著者関連情報
© 2002 日本生気象学会
前の記事 次の記事
feedback
Top