日本生気象学会雑誌
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出生体重と児および母の出生季節
宮本 美幸
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1984 年 21 巻 1 号 p. 53-58

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抄録

帝京大学産科における1972年から1980年までの分娩のうち, 妊娠37週から41週までに分娩となった単胎2, 904件の出生体重を, 児および母の出生季節から検討した.
1) 正期産の児の平均体重は, 初産婦では3, 115.0±384.4gであったのに対し, 経産婦では3, 255.2±394.4gと, 経産婦の出生体重の方が有意に重かった.
2) 初産婦の占める割合は, 1~4月の分娩で多く (54.7%, その他の月50.2%) , また11~5月生まれの母で多かった (52.4%, その他の月50.3%) ,
3) 児の出生季節でみると, 夏から秋 (5~11月) 生まれの児は, 3, 199.3±399.3gと平均より出生体重が重く, 冬から春 (12~4月) 生まれの児は, 3, 158.1±388.7gと平均より軽くなっていた.初産婦の分娩と経産婦の分娩に分けても同様の傾向が認められた.
また, 正常分娩の場合と異常分娩の場合では, ともに出生体重の季節分布はほぼ類似していた.
4) 母の出生季節でみると, 春 (4~6月) 生まれの母から生まれた児は3, 211.0±399.4gで, その他の月生まれの母からの児3, 175.3±394.4gと比べ出生体重が重かった.初産婦, 経産婦に分けても同様の傾向が認められた.
また, 正常分娩の場合と異常分娩の場合では, ともに母の出生季節による出生体重分布はほぼ類似していた.

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