農業生産技術管理学会誌
Online ISSN : 2424-2403
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チャ(Camellia sinensis (L.) O. KUNTZE)幼葉発達モデルの開発(第2報) : 整枝,摘採時期を起点とする気温と日長からの側芽幼葉発達の推定
大前 英武田 善行坂田 祐介
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キーワード: , 幼葉数, モデル, 重回帰式, 休眠
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2003 年 10 巻 1 号 p. 49-53

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抄録

年間を通したチャ幼葉の発達に関する気温や日長の影響,また両者の相互関係については,今まで明らかにされていなかった.そこでチャ幼葉の発達に与える気温や日長の影響を,両者を説明変数とする推定モデルの作成を通して明らかにすることを目的とした.1999年10月から2000年10月にかけて,'やぶきた'成木を用いて,秋整枝ないし摘採時期を起点とする全葉数推定式を,日平均気温および日長を説明変数に用いて求め,その適合性について検討した.その結果,a(T-b)+c(D-d) {T:日平均気温,D:日長,a,b,c,d:パラメータ値(a=0.007062,b=6.9,c=0.01032,d=10.11}式が,各茶期における第1側芽全葉数の1日分の増加程度を良く表すことが判明した.特に,日長を推定式に加えることによって,一番茶の休眠後期(12月中旬〜3月初旬)における推定精度が向上した.上記より,年間を通した幼葉の発達には気温および日長の両方が相加的に関与するが,幼葉の発達に関する日長の関与は,一番茶の休眠後期に顕著であると考察された.

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© 2003 農業生産技術管理学会
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