セル成型苗を100%健苗になるよう生産管理するためには,セルトレイから欠株や生育不良苗を床上とともに完全除去して健苗を補填することが必要である.本研究ではセルトレイ中の苗・床土の状態にかかわらず効率的に除去可能な吸引除去方式について検討した.不良苗除去の方法として一般に吸引除去方式が採用されている.このため,従来の密着型吸引方式の問題点を抽出し,吸引時の物理的特性や吸引除去率について検討した.さらに新たに挿入式のものを試作し,以下の結果が得られた.1)吸引除去は床土を吸い込むために十分な吸気が必要である.2)密着式では排水穴からの吸気のみで除去するので高い吸引圧力が必要であった.3)挿入式はセルトレイ壁面と吸引口の隙間から吸気して床土を効率的,高精度に除去できた.4)吸入口の上下運動を組み合わせることで表面が固まった床土でも除去可能となった.