バラ'アサミレッド(ローテローゼ)'の栽培時に植物への送風処理を行い,切花の収量,気孔特性,葉の蒸散ならびに品質保持期間に及ぼす影響を検討した.送風処理を行ったバラは,特に温室内が高湿度条件となる冬季において対照区と比較して収量が増加する傾向を示した.送風処理区では対照区と比較して気孔径が小さくなる傾向が認められた.冬季において収穫後の蒸散速度は,送風区において対照区に対して低い値を示した.また,送風区では対照区に比べてベントネックの発生が遅くなり,品質保持期間が長くなった.送風によって葉面境界層が薄くなるために栽培中のCO_2吸収と蒸散が促され,光合成の促進と気孔の小型化と開閉機能がもたらされると推察された.植物への送風処理は,収量の増加と品質保持期間の延長に有効な方法と考えられる.