グリンピースの凍結過程における内部温度分布と凍結の状態を明らかにするため,相変化を伴う熱移動モデル解析による材料温度予測と凍結率の簡易推算を行った.その結果,以下の知見を得た.1)凍結による相変化を伴う熱移動モデルを構築し,数値解析によって内部温度分布変化を予測した.この結果,計算値と測定値は良く一致し,モデルの妥当性が検証された.2)流動層凍結器によるグリンピースの凍結曲線の傾きから凍結の進行を予測した.その結果,温度の低下とともに変化する凍結率の簡易予測が可能となった.以上,本研究成果は球状農産物の凍結の進行を予測し,凍結過程における農産物中の水の状態を知る際の基礎となる研究であり,凍結から貯蔵期間に至る適切な温度管理に有用な知見を与えるものである.