農業生産技術管理学会誌
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ホウレンソウのシュウ酸塩および硝酸塩濃度に及ぼす窒素施用量と潅水量の影響
上西 愛子野村 研北浦 健生河田 隆弘北 宜裕
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2007 年 14 巻 1 号 p. 9-14

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抄録

ホウレンソウのシュウ酸塩と硝酸塩濃度の低減化栽培技術を開発するため,品種,窒素施用量および潅水量の差がシュウ酸塩と硝酸塩濃度に及ぼす影響について検討した.その結果,植物体の草丈,最大葉の葉柄葉身比,葉緑素含有量,1株重およびシュウ酸塩濃度は品種間に有意差が認められ,特にシュウ酸塩濃度は品種間差異が大きかった.一方,硝酸塩濃度は,品種間のみならず処理区間にも有意差が認められ,少窒素施用多潅水により有意に硝酸塩濃度が低下することが明らかになった.以上の結果から,シュウ酸塩濃度の低い品種を用いて,窒素施用量を半減するとともに,収穫前に追加潅水を行うことにより,品質を低下させることなくシュウ酸塩および硝酸塩濃度を低減できる可能性が示された.

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© 2007 農業生産技術管理学会
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