抄録
水稲の不耕起移植栽培において,緑肥として利用したレンゲが水稲の収量性に及ぼす影響並びに不耕起移植用ではない普通田植機による不耕起移植栽培の実用性を部分耕移植栽培と比較して検討した.すなわち,生育したレンゲを湛水下に放置しレンゲの上から不耕起移植した区,レンゲと雑草を除草剤で処理し部分耕移植した区およびレンゲを播種せず雑草を除草剤で処理し部分耕移植した区を設け,3年間継続試験をした.その結果,半量程度の基肥の減量であれば,経年的にレンゲの衰退が生じても3年程度の不耕起栽培の継続は可能であることが判った.さらに,移植時の苗の姿勢,欠株率および倒伏程度から判断して,不耕起移植専用でない田植機を用いた不耕起移植栽培の実用の可能性が示唆された.