農業生産技術管理学会誌
Online ISSN : 2424-2403
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アブラナ科及びフウチョウソウ科植物に対するモンシロチョウメス成虫の産卵選好
池浦 博美五味 正志百野 直実早田 保義
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2008 年 15 巻 2 号 p. 117-122

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抄録

アブラナ科野菜の害虫モンシロチョウに対する生物農薬の開発を目的として,その産卵選好強度と同科植物の誘引並びに産卵刺激成分について調査した.モンシロチョウの産卵選好は,ワサビが最も高く,次いでキャベツ及びギョボクの順となり,レタスはほとんど認められなかった.誘引成分と推定されるアリルイソチオシアネート(AITC)の含量は,ワサビが最も高く,次いでキャベツとなり,ギョボクおよびレタスでは検出されなかった.また,産卵刺激成分であるシニグリン含量はAITCと同様の傾向となった.このことは,アブラナ科においてモンシロチョウの選択強度と同科の誘引・産卵刺激成分との関連性並びにギョボクにおける新規誘引・産卵刺激成分の存在を示唆するものとなった.

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© 2008 農業生産技術管理学会
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