2010 年 17 巻 2 号 p. 41-45
異なる性質をもった単為結果性栄養繁殖性6品種を,2か所の二重被覆ビニールハウスにおいて10月から4月の間無加温で栽培し,その収量と品質を比較して,単為結果性トマト品種を利用した低温条件下でのトマト果実生産の可能性を検討した.対照品種である'桃太郎'のほとんどは枯死したが,単為結果性系統はいずれも正常に生育して多くの果実を生産した.品質面では,すでに経済栽培されている'京てまり'および'京あかね'を超える系統は見つからなかったが,いずれも低温条件下で正常に生育して果実を生産することが可能であり,単為結果性を利用した冬季における省エネルギートマト生産の可能性が示唆された.