ニガウリのロックウール培地を用いたバッグ耕における肥培管理について,'あばし'および'長福'の2品種を供試し検討した.培養液濃度を3段階で処理し,植物の生育,果実収量・品質および養分吸収に及ぼす影響について調査した.'あばし'では,培養液濃度をEC1.3〜1.8dS/mに設定することで曲がり果が少なくなり,果実収量が優れ,ロックウール培地によるバッグ耕の実用性が示された.'長福'は塩ストレスを招来しやすく,高濃度処理区ほど植物体の成長,果実肥大が劣り,曲がり果が多くなった.また,'長福'ではマグネシウムの吸収は抑制され,逆にマンガンは過剰に吸収される傾向が認められた.今後生育に応じた培養液管理を検討することにより,バッグ耕でのニガウリの高品質な安定生産が可能になると示唆された.
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