2011 年 18 巻 3 号 p. 95-99
本研究では,F.chiloensis CHI-24-1の花芽分化特性を明らかにし,実用技術としての花芽誘導処理の方法の指針を得る目的で,市販のFR光を含むPGFLのみを用いた人工光源下での花芽誘導の可能性について検討した.その結果,23日以上の24時間日長処理を行うことで,親株およびランナー第1子株における花芽分化率が100%になることが明らかになった.また,人工光源下でも16時間および20時間に比べて24時間日長条件が最も安定して花芽誘導できることが明らかとなった.さらに,成苗であればPGFL2本区の約30μmol・m^<-2>・s^<-1>(可視光域の光量)で,また幼苗であればPGFL4本区の約60μmol・m^<-2>・s^<-1>(可視光域の光量)で,各々親株の茎の先端に花芽分化することが明らかになった.以上の結果を基に,CHI-24-1の花芽分化特性について考察を行なった.