農業生産技術管理学会誌
Online ISSN : 2424-2403
Print ISSN : 1341-0156
18 巻, 3 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 古浦 二郎, 玉置 雅彦, 荒巻 功, 猪谷 富雄
    原稿種別: 本文
    2011 年 18 巻 3 号 p. 87-94
    発行日: 2011/12/15
    公開日: 2019/04/11
    ジャーナル フリー
    清酒醸造の蒸米の研究の一環として,大粒(酒造好適米)と小粒(一般米)の腹側と背側の米粉を調製し,デンプンの膨潤性,偏光十字による糊化温度およびタンパク質含量の差異について検討した.膨潤程度では,大粒米腹側>>小粒米腹側>大粒米背側≒小粒米背側の順に大きかった.とくに,大粒米の腹側では背側と比べ,糊化温度およびタンパク質含量が低かった.さらに,膨潤力測定時の白色沈殿部における未糊化の部分に対してベルリンブルー反応およびヨード反応試験を行い,その顕微鏡観察から,デンプンの存在場所の違いによって糊化性に違いができる原因は,デンプンとタンパク質の固着が強固なためお互いに吸水を低下させ合うため糊化しにくくなることが推察された.
  • 柳 智博, 奥田 延幸, 加藤 賢一郎
    原稿種別: 本文
    2011 年 18 巻 3 号 p. 95-99
    発行日: 2011/12/15
    公開日: 2019/04/11
    ジャーナル フリー
    本研究では,F.chiloensis CHI-24-1の花芽分化特性を明らかにし,実用技術としての花芽誘導処理の方法の指針を得る目的で,市販のFR光を含むPGFLのみを用いた人工光源下での花芽誘導の可能性について検討した.その結果,23日以上の24時間日長処理を行うことで,親株およびランナー第1子株における花芽分化率が100%になることが明らかになった.また,人工光源下でも16時間および20時間に比べて24時間日長条件が最も安定して花芽誘導できることが明らかとなった.さらに,成苗であればPGFL2本区の約30μmol・m^<-2>・s^<-1>(可視光域の光量)で,また幼苗であればPGFL4本区の約60μmol・m^<-2>・s^<-1>(可視光域の光量)で,各々親株の茎の先端に花芽分化することが明らかになった.以上の結果を基に,CHI-24-1の花芽分化特性について考察を行なった.
  • 柳 智博, 奥田 延幸, 加藤 賢一郎
    原稿種別: 本文
    2011 年 18 巻 3 号 p. 101-107
    発行日: 2011/12/15
    公開日: 2019/04/11
    ジャーナル フリー
    本研究では,イチゴ品種'女峰'とCHI-24-1の交雑により得られたF_1系統に栽培イチゴ品種を種子親として戻し交雑したBC_1系統を材料に用いて,24時間日長条件で花芽分化する特性および果実品質について調査した.562のBC_1系統の中で,24時間日長条件下で花房が発生したものが44.3%(親株のみからが1.8%,親株とランナー子株の両方からが13.0%,ランナーのみからが29.5%)であり,花房が発生しなかったものが55.7%だった.果実品質は,BC_1全体における平均1果実重,果皮硬度および果肉硬度が栽培品種より低く,また花粉親F_1系統よりも高くなった.逆にBC_1全体における果実酸度は,栽培品種よりやや高く,花粉親F_1系統より低くなった.果実糖度は,BC_1全体,栽培品種,花粉親F_1系統間で有意な差異が認められなかった.一方,特定の組み合わせ,すなわち'とよのか'×CN73のBC_1系統における平均1果実重で,また'アスカルビー'×CN73のBC_1系統における糖度で,各々種子親栽培品種より高くなる傾向が認められた.以上の実験結果を基にして,24時間日長条件下における花芽形成および果実品質の遺伝について考察した..
  • 枦木 琢磨, 遠城 道雄, 朴 炳宰
    原稿種別: 本文
    2011 年 18 巻 3 号 p. 109-114
    発行日: 2011/12/15
    公開日: 2019/04/11
    ジャーナル フリー
    切り花として利用されるクルクマ(Curcuma alismatifolia Gagnep.)の栽培時に種イモとなる根茎に形成される貯蔵根数を変えて,その違いが地上部および地下部生育量に及ぼす影響について調査した.貯蔵根数が多いほど,出芽が早まり,草丈などの生育は旺盛となり,花茎数も増加し,花茎長も長くなった.茎数が増加したことから,次期の栽培に利用するための種イモとなる根茎数とそれに形成される貯蔵根数も多くなる傾向が認められた.本研究の結果から,クルクマでは貯蔵根が3個以上形成された根茎を種イモとして利用することが,栽培上有利であると考えられた.
  • 石川 大太郎, 西脇 彩香, 西本 琢人, 樗木 直也, 石黒 悦爾
    原稿種別: 本文
    2011 年 18 巻 3 号 p. 115-122
    発行日: 2011/12/15
    公開日: 2019/04/11
    ジャーナル フリー
    茶の生育や品質の非破壊的な推定手法の開発を目的として分光画像に分光反射率から導出した指標を適用し,経時変化を解析したところ以下の結果を得た.1.分光画像輝度値が高くなると分光反射率も高くなることが高い正の相関(r=0.96)が確認された.2.生育推定指標を適用したND_<770,660>の輝度値の最頻値(ND_<770,660>MODE)は,DOY:102付近から上昇し,DOY:112で最大値を示した.3.窒素施肥量と葉内窒素含有量の関係を調査した結果,窒素施肥量が増加すると葉内窒素含有量が増加することが確認された.また,ND_<770,660>MODEと葉内の窒素含有量には窒素含有量が増加すれば,ND_<770,660>MODEは低い値をとるという負の相関(r=-0.63)が確認された.このことから,ND_<770,660>MODEによって,窒素施肥量の多寡を把握することが可能となった.4.品質推定指標を適用したND_<710,520>の輝度値の最頻値(ND_<710,520>MODE)を用いることによって,最高品質の時期の推定が可能となった.
  • 小林 史幸, 池浦 博美, 大里 修一, 玉置 雅彦
    原稿種別: 本文
    2011 年 18 巻 3 号 p. 123-128
    発行日: 2011/12/15
    公開日: 2019/04/11
    ジャーナル フリー
    オゾン(O_3)-、酸素(O_2)-および二酸化炭素(CO_2)-マイクロバブル(MB)を用いて,植物病原菌のFusarium oxysporum f.sp.melonisおよびPectobacterium carotovorum subsp.carotovorumに対する殺菌効果を検討した.1ppmのO_3-MB処理によりF.oxysporum f.sp.melonisおよびP.carotovorum subsp.carotovorumは処理1分後に検出限界まで減少し,両植物病原菌に対する非常に高い殺菌効果が認められた.しかし,35ppmのO_2-MBおよび1500ppmのCO_2-MBでは殺菌効果は認められなかった.以上の結果から,O_3-MBの高い殺菌効果は,O_3の酸化力とO_3-MBから発生したOHラジカル,および/または衝撃波による相乗効果によることが示唆された.
  • 小林 史幸, 池浦 博美, 大里 修一, 玉置 雅彦
    原稿種別: 本文
    2011 年 18 巻 3 号 p. 129-134
    発行日: 2011/12/15
    公開日: 2019/04/11
    ジャーナル フリー
    マイクロバブルの発生方法には,加圧溶解法と気液旋断法の2つの方法がある.本研究では,異なる2つの方法により発生させたオゾンマイクロバブル(OMBs)が,根から侵入する植物病原菌のFusarium oxysporum f.sp.melonisおよびPectobacterium carotovorum subsp.carotovorumに対する殺菌効果について検討した.両OMBの溶存オゾン濃度は,全ての水温において同様に上昇したが,オゾンミリバブル(OMMs)よりも著しく高まった.両OMBsのF.oxysporum f.sp.melonisおよびP.carotovorum subsp.carotovorumに対する殺菌効果は,OMMsよりも著しく高かった.さらに,20℃,1-1.5分間の培養液中の溶存オゾン濃度は加圧溶解法よりも気液旋断法で若干高くなった。しかしながら,加圧溶解法により発生させたOMBsによるF.oxysporum f.sp.melonisに対する殺菌効果は気液旋断法により発生させたOMBsよりも高くなり,P.carotovorum subsp.carotovorumに対する殺菌効果は両OMBsで同等であった.
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