農業生産技術管理学会誌
Online ISSN : 2424-2403
Print ISSN : 1341-0156
竹粉の性質とその園芸生産への利用の試み
Takashi FUDANOKeiko KATAOKARihito TAKISAWAFumio KISHIDAMasatoshi TOYODAMidori KANEKOYutaka SHIROYAMA
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2016 年 23 巻 2 号 p. 49-60

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抄録

我が国では放置竹林の拡大が重大な問題となっている.放置竹林をこれ以上増やさないためにも竹材の新たな消費方法が望まれている.そこで,竹材をパウダー化した竹粉が鉢栽培における代替培養土として利用できるか検討するために,配合土の種類と施肥量の組み合わせ処理がフレンチマリーゴールド,イチゴおよびトマトの成長に及ぼす影響を調査した.標準の施肥条件下では竹粉を配合した培養土で栽培したフレンチマリーゴールドの成長は慣行配合土に比べて劣ったが,標準の2 倍量の肥料を施与した条件下では慣行配合土と同程度の成長を示した.イチゴ果実の重さと糖度は配合土の種類の影響を受けなかった.トマト果実の品質は竹粉配合土に標準の2 倍量施与した処理区と慣行配合土に標準量施肥した処理区との間で有意な差異はみられなかった.これらの結果から,園芸生産における代替培養土として竹粉が利用できることが示された.

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© 2016 農業生産技術管理学会
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