農業生産技術管理学会誌
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Print ISSN : 1341-0156
遠赤外線による海苔の乾燥に関する研究
劉 厚清毛利 建太郎難波 和彦
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1996 年 3 巻 2 号 p. 31-35

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抄録

海苔を高品質,高能率で乾燥する乾燥方法を確立する目的で,遠赤外線ピークを用いた遠赤外線乾燥装置で乾燥を行い,海苔の乾燥に関する基礎データが得られた。1.海苔は他の農産物と同じように遠赤外線を吸収する波長に選択性があり,蒸発率δ_gについては,ピークと谷を示す波長がある。ヒータから放射される遠赤外線の中心波長を4.75μmより短くすると,海苔の温度が高くなり,表面にクモリが生じて品質が悪くなる。波長が4.75μmより長い場合には,蒸発率δ_gのピークが5.5,6.6μm付近に表れた。これらの波長を中心波長にして遠赤外線を照射するのが適当と考えられる。2.海苔の乾燥過程においては恒率乾燥期間と減率乾燥期間が明確に表れた。3.海苔表面に送風した場合,水分の蒸発をそく進させる。送風速度の増加にしたがって蒸発速度も大きくなるが,送風速度が一定値(0.75m/s)を超えると,蒸発速度も一定になった。これは水の蒸発を助ける送風速度に限界が存在していることを示している。

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© 1996 農業生産技術管理学会
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