ギニア国農業の基本的性格を,その生産システムの類型化とそれぞれの長所,短所などの検討によって明らかにした。資料は,農業省から収集したものと現地調査で得られたものを使用した。ギニア国農業の問題は耕地や労働力の不足ではなく,機械,肥料,農薬,技術,経営能力などの不足が決定的に重要である。生産システムは,農家,様々な協業経営体そして国営農業企業体の3つに分類された。最大の生産シェアを持つ農家には資本や教育の不足という弱点がある。協業経営体も資本不足の弱点はあるが,効率性と所得面で優れている。国営農業企業体は,農業に加えて加工,技術指導や信用供与などの面で優れており,一方で投資された資本は効果的な運用はなされていない。ギニア国農業の発展には協業経営を育成する必要があることも明らかになった。
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