2010 年 16 巻 2 号 p. 117-122
現在,全世界が直面している経済不況に対し,各企業でコストダウンの鍵となるのは,情報システムであり,よりよい情報システム開発は,企業にとっての生き残りの条件となり得ることは自明である。しかし,実際のシステム開発現場では,高付加価値化・機能多様化の開発要件を満たすことが求められ,さらに,マルチベンダ化・オフショア開発等の要請に追われながら,同時平行的に品質・生産性向上が求められる。情報システム開発の品質・生産性の向上には,開発プロセスを改善していくとともに開発プロジェクトの管理レベルを高めていく必要がある。このような問題を解決するための新たなCMM/CMMIが注目を集めている。そこで,SI企業のシステム開発における品質的欠陥の発生要因についての解決策としてCMMIの有効性及び今後の課題を示すことを本研究の目的とする。