2010 年 16 巻 2 号 p. 75-80
著者である正本は日本の代表的な化学会社である旭化成に勤務していた。そこではGEがプラスチックの分野で、世界ナンバーワンあるいはナンバーツーの強力な製品群を持っていること目の当たりにしてきた。GEを世界のトップ企業にまで仕上げたのはウェルチであり、彼の経営戦略は、入社間もなき若き頃に打ち込んだプラスチック事業現場での成功体験が基本となっている。伸びる事業領域・魅力的な事業領域に選択と集中およびM&Aで進出する。大きな会社の強みを活かしながら、小さな会社のようにすばやく動くことである。企業内教育でリーダーの育成を行い、多様な事業群をGE価値観の共有化で統一し、全体最適化をはかっている。ウェルチの後をついだイメルトの戦略についても言及する。