2010 年 17 巻 2 号 p. 102-107
我が国においても,2009年6月に金融庁から国際会計基準(IFRS)導入への方向性が示され,2010年3月期より任意適用が始まっている。本稿では,IFRSにおける収益認識基準の公開草案の内容を紹介し,経営管理プロセスとの関連について検討した。
公開草案は,収益認識の会計処理について,経営の実態をより反映したものとすることを意図しており,顧客への製品・サービス提供プロセス,経営資源の管理,リスクマネジメントなどの経営管理プロセスと密接に関連するものである。
したがって,IFRS導入を単に会計処理や財務情報の開示の問題と捉えず,経営管理プロセス改善・強化のための視点を提供するものと捉えて対処することが必要である。