2012 年 18 巻 2 号 p. 17-22
昨今、CSR(Corporate Social Responsibility 企業の社会的責任)に関する記事が新聞紙上をにぎわし、企業経営者の話のなかにもCSRが頻繁に登場するようになった。企業の社会的責任といわれれば何となくわかったような気になるが、本当にCSRとは何なのか。中国は改革開放以来、急速な経済発展を遂げ、世界注目のマーケットとして立ち上がりつつある。こうした状況変化を背景にして、日系企業も中国を製造拠点ではなく、マーケットとして重視し始めている。一方で、中国政府は労働者保護の強い姿勢を打ち出していると同時に、中国国内での企業の社会的責任への関心が高まっている。この背景で中国における日本企業はどうやって対応すべきかを研究している。