2012 年 19 巻 1 号 p. 107-112
改善提案の活発な企業は,それだけ社員の問題意識が強く,向上心も高いと言える。作業効率を上げることや原価低減,コストダウン,納期短縮,5Sに至るまで,職場の中には改善箇所が山ほどある。ひとつの改善を行えば,さらに次の問題が見えてきて,さらに改善を行う。絶え間なく改善を続けていくことで,職場環境は整っていき,また働く人たちの意識も高まっていくのである。
このように改善提案,改善件数は多ければ多いほど良いのだが,我国のほとんどの企業で,バブル崩壊後,年々改善提案件数が減ってきているのが実情である。そこで本論文では改善提案を活発化させるために,さまざまな考え方や手法をまとめた。これらの活用により,“気づく人づくり”を実践し,改善提案件数を増やし,職場の活性化で,日本の“ものづくりの復活”を目指していただきたい。