糖尿病
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病態・代謝異常・合併症
日常臨床で使用可能な簡易検査による糖尿病多発神経障害重症度(馬場分類)の推定
山田 賀奈子田村 尚久畠山 寛金 剛姜 知佳小杉 理英子小川 達雄小谷 仁人井上 達秀
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2021 年 64 巻 4 号 p. 269-276

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抄録

神経伝導検査(NCS)は糖尿病多発神経障害(DPN)の確定診断に必須とされ,NCSによるDPN重症度(馬場分類)2度以上(BDC-2+)では糖尿病足病変・大血管症の増加が示されたが,NCSを実施できる施設は少ない.2型糖尿病患者139例で,自覚症状,アキレス腱反射低下・消失,振動覚低下の陽性項目数とR-R間隔の変動係数のBDC-2+検出性能をreceiver operating characteristic解析で検討したが,有用な判定基準は得られなかった.副次アウトカムとして,腓腹神経Point-of-Care testing(POCT)NCSを施行した108例で,POCT-NCSのBDC-2+検出性能を検討したところ,最良の判定基準の「複合感覚神経活動電位≦6.5 μVかつ感覚神経伝導速度≦48 m/s」は,感度100 %,特異度85.7 %でBDC-2+を検出できる可能性が示唆された.

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© 2021 一般社団法人 日本糖尿病学会
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