本研究では,八代市に存在するトラック運送会社及び関係企業への聞き取りにより,熊本地震が物流や日常業務に及ぼした影響,また,地震直後のトラック輸送の実態について調査した.九州自動車道の通行止め等により通行可能な道路が限られた上,避難車両,支援物資輸送車両の増加により,一般道路は大渋滞となった.また,下請け協力会社の車両が手配できなかったため,自社車両のみでの対応となった.そのため,往路の荷物を降ろした後,復路の荷物は積まずに直ちに八代へ戻り,出荷された青果物は全て輸送することに努めた.その結果,走行距離に対する売上高はやや減少したが,売上高そのもの及び運転手の拘束時間への顕著な影響はみられなかった.