2017 年 24 巻 2 号 p. 87-96
今日,中小製造業の多くが,サービスをいかに事業に組み入れるかを課題としている.サービス化の段階を整理した先行研究など参考となる知見はあるが,多くの中小製造企業にとって,何に取り組み,どのように進めるか,方針を打ち立てることは容易ではない.そこで,マーケティングのフレームワークを組み合わせるとともに,マーケティング3.0,サービス・ドミナント・ロジックなどの理論を組み入れて,サービス化戦略構築のフレームワークを考案した. そして,Internet of Things (IoT)の活用による新しいサービスの開発を目指すIndustrial Internet Consortium (IIC),及び日本の製造業の高度化の政策を示した経済産業省の「特定ものづくり高度化指針」を用いて,そこで示された方向性がこのフレームワークに適合することを確かめ,このフレームワークの有効性を検証した.