本研究では,生産管理で扱うマスターデータの設計・準備環境を改善するために,部品表の構築作業を可視化ツールで支援する方法を提案する.最初に,一般的な生産管理システムで使われているBOM(Bill of Materials:部品構成表)と,F-BOMという生産管理システムで用いられるFBOM(Fundamental Bill of Manufacturing:統合工程部品表)の特徴について対比し,多様な製品を対象に部品表を構築する際の注意点を述べる.次に多仕様の製品を扱う際に効果的なFBOMを対象に,部品表の整備を支援する可視化ツールを提案する.最後に,マスターデータの可視化の有用性を性能評価や適用例などから明らかにすると共に,可視化ツールの意義や可能性について議論する.