現代文明によって築かれた芸術,音楽,スポーツを洗練させるために黄金比が取り入れられ,その結果,レオナルド・ダヴィンチのウィトルウィウス的人体図が描かれた経緯がある.この人体図によってヒトのプロポーションに黄金比が初めて取り入れられ,ヒトの身体プロポーションの基準が示されたのではないだろうか.恐らくレオナルド・ダヴィンチの人体図は,単に美しいだけではなく,ヒトが生きていくために必要な身体プロポーションを提言しているように感じる.実は,現代の働く人は企業戦士と言われている.この言葉の背景には,働いて生活の糧を得て,家族を支え守り抜くことが正に働く企業戦士に相応しく感じられるからであろう.そのような戦士としての身体プロプロポーションは必然的に健康体を意味しなければならない.つまり,企業戦士にとって健康で標準的な身体プロポーションが必要である.しかしながら,今日までヒトのプロポーションに関して標準化を考えた経緯はない.そこで,本研究は現代人として,家族のために働き生き抜くための企業戦士としての健康的な身体プロポーションの標準化を議論しようとした.