生産管理
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Print ISSN : 1341-528X
研究論文
骨密度の加齢標準化に基づくヘルスケアマネジメント
―学齢期男子からのアプローチ―
浦野 忍藤井 勝紀可兒 勇樹内藤 譲沖村 多賀典
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2020 年 27 巻 2 号 p. 141-146

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抄録

骨粗鬆症の予防は医学的観点からも若年期によりよい生活習慣を身に付けることが,骨粗鬆症に限らず,多くの生活習慣病予防にとって重要なことは周知のことである.また,若年期に高い骨密度を獲得することが後年になって骨密度の低下を生起しても,骨粗鬆症の発症や骨折閾値への到達を遅らせる知見が報告されている.そこで,本研究は,骨密度の加齢変化傾向を解析し,加齢評価システムを構築することで,骨密度評価に基づく健康指標への提言を模索するものである.小学校1年から6年までの男子385名,中学1年から3年までの男子286名を対象として,Stiffness値を骨密度と見なした骨評価値を適用し,加齢変化傾向をウェーブレット補間モデルから解析した.加齢速度曲線に検出するPeak Stiffness値が導かれ,11.2歳で骨密度のMPV年齢が特定された.この年齢は身長のMPV年齢12.6歳,体重のMPV年齢13.4歳より早く,平均的には骨密度の充実した成就の結果が身長発育を促進する可能性が推測された.そして,そのStiffness値評価に基づく健康指標への提言からヘルスマネジメントの模索が検討された.

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© © 2020 一般社団法人日本生産管理学会
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