2022 年 29 巻 1 号 p. 31-45
著者らは,これまでに製造現場におけるロボットSIer事業の調査とともに,人材育成の特徴分析と効率的な教育方法を検討し,ロボットSIer教育方法を提案した.本研究では提案した教育方法に基づき,具体的な教育カリキュラムを設計し,工業高校電子機械科に適用,実施した.製造工程におけるロボットSIer業務全体の流れの中で上流に位置する工程分析と設計を含めた工場におけるロボット導入に関する講義と演習を行なった.教育内容については全5回で構成し,教育方法の「Step1:既存の方法の学習」,「Step2:カスタマイズや応用問題に対する学習」,さらに「ID」に適用する.毎回の実習の実施後に教育効果の分析,及び課題を抽出し,生徒の理解度が向上するように次回の実習内容や学習方法の修正を行ないながら進めた.生徒のプレゼンテーションや成果物,およびアンケートから学習の効果を分析し,本実施における問題を考察した.そして,得られた結果の分析からロボットSIer教育カリキュラムの改善案を示す.