2003 年 10 巻 2 号 p. 57-63
近年、1部の製品・サービス開発の分野でカスタマ・アズ・イノベータのアプローチによるビジネスプロセスの変化が進展しつつある [1]。本アプローチにより顧客、開発者及び生産者は開発コスト、開発期間及び生産量が大幅に改善できる可能性があり、従来のバリューチェーンをも大きく変革する可能性を示唆するものである。本発表では将来の情報ネットワーク社会における半導体キーデバイスとして位置づけられているマルチメディア画像処理システムLSI開発の事例研究を取り上げる。システムLSIツールキットなどの進化により顧客のニーズに応じたシステムLSI開発工程がいかにして開発・生産者 (受注側) から顧客 (発注側) にシフトしてきているかについて考察、分析する。