抄録
国際生産分業に伴う国際的な情報共有・ネットワーク化が進むに連れ, 使用されるソフトウェアの信頼性と安全性が重要視されるようになってきた。しかし, その重要性を逆手に取り, ソフトウェアハウス提供のソフトウェアにシステム停止などの故障を演出する「仕掛け機能障害」を組込むなどして, 修理費用やメンテナンス契約を強要するハイテク犯罪が現実化している。これらは情報の専門家でなければ発見は困難であり, 多くのユーザはその危険性を知らないまま被害にあっている。本報は実際に遭遇した「仕掛け機能障害」を取り上げ, その危険性と対処方法の検討について考察する。