抄録
生産管理論の目的は, より効率を高め, 高品質で, 無駄をなくすことである。この目的に関して, 国際経済・社会では異なる価値体系が存在する。さらに, 効率向上論理の成果に異なる評価基準が導出される。このように国際経済・社会において価値体系と評価基準が多様化していることは周知である。ここで, 国際的な共通認識である情報通信と生産分業がもたらす効果を考える。すなわち, 中国に生産移転し, ネットワークで国際分業・物流決済する企業が最大の国際競争力を持つことは周知であることから, 中国社会が国際競争力に影響する何かを持つことになる。
この論理を管理技術の基本で原点となる評価基準と方法により, 中国社会の思考論点に立って研究を進めた結果, 次の結論を得た。生産活動の効率向上には当然ながら技術力が影響するが, 必要な社会環境コストの低さが最重要である。加えて, ネットワークで必要な情報を共有し, アメリカンドリームを認める競争社会を構成する社会的な価値観がその原点であると思われる。これらの推理について, 今回投稿依頼を戴いた機会を利用して報告する。