生産管理
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高齢化対応型職場づくりのための “Webによる職場改善支援システム” の活用事例
渋谷 正弘三上 行生飯田 憲一畑沢 賢一
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2005 年 12 巻 1 号 p. 83-88

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抄録
日本における「超高齢・少子社会」は所与である。我々の研究グループでは、2000~2002年にかけて、高齢者のウイークポイントとなる作業負担を軽減し高齢者にとって働きやすい職場作りとその継続雇用に資するため、“Webを活用した職場改善支援システム” を開発・構築した [1]。このシステムは現在 (独) 高齢・障害者雇用支援機構へのアクセスで利用可能となっている。本論ではこの “Webによる職場改善システム” の各企業間利用の水平展開を加速し、高齢者雇用に寄与することを目的とした職場改善事例研究について論ずる。対象としたのは鋼構造物製造業である。本研究から得られた結果の要約は以下のものである。
1)“Webによる職場改善システム” を利用し、本対象企業での高齢者の継続雇用が可能となるような作業負担の軽減及び生産性向上に寄与する現場環境整備を実施した。
2) 同じく本システムを利用し、超高齢・少子社会の “技能伝承” さらにはこれらノウハを有する高齢者の継続雇用に寄与するPC上で参照できる溶接技能ノウハウデータベースを作成した。
3) 本研究実施内容を活用事例として速やかに、“職場改善支援システム” から配信出来るよう、“Webよる職場改善支援システム” 用公開フォーマットでのデータの提供を (独) 高障機構へ行なった。
4) 上記1), 2) より、高齢化対応型職場づくりのための “Webによる職場改善システム” の利用メリットを明らかにすると共に、実践化された高齢者活用のための改善ノウハウデータの蓄積を通し、“Webによる職場改善システム” のさらなる企業間利用を加速する基盤づくりを試みた。
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© 日本生産管理学会
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