生産管理
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国際合弁企業の知識創造パターンの規定因と有効性
平野 実
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2006 年 13 巻 1 号 p. 43-54

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抄録
本研究では, 知識創造モデルを分析視角とし, 日系国際合弁企業 (436社) の知識創造プロセスの特徴の解明を試みた。まず, 本研究の分析視角である知識創造モデルについて考察し, 国際合弁企業の環境とコンテクスト-知識創造プロセス-国際合弁企業の成果間に関わる5つの仮説を提示した。次に, 仮説の検証を行うために, 436社のデータの重回帰分析を試みた。分析の結果, 次の2点を含むいくつかの興味ある分析結果が得られた。(1) 日系合弁企業の知識創造は, 知識の表出化のプロセスを重視する日本企業の知識創造よりも, 知識の連結化のプロセスを重視する欧米企業の知識創造に近い。(2) 両親会社間の信頼が強く, 日本本社の合弁事業調整能力が高い合弁企業の場合ほど, 知識創造プロセスはより広範に展開される。
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© 日本生産管理学会
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