ものづくり産業の量産過程が海外移転していく中で、設計・試作など開発過程に焦点を当てた企業間ネットワークが生まれている。そうしたネットワークでは、一括発注の流れを捉え、ユニット化、モジュール化としての対応を行っている。本稿では、「試作」を再定義するとともにそれを軸にした企業間ネットワークの事例を分析することにより、その形成要件を明らかにした。需要変動に対応できる専門性を基盤とした自立的企業からなる柔軟なネットワークにより構成企業の能力が増幅される。産業クラスターの一形態であると同時に構成要素でもあるネットワーク形成は、地域目標ともリンクさせることが可能である。