生産管理
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全要素生産性から見た日本の食品製造業の実情
低生産性の原因は技術進歩不足
弘中 泰雅
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2008 年 15 巻 1 号 p. 99-104

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抄録

日本の食品製造業は生産性が低く, 経済財政諮問会議は, 生産性向上すべき業種に選定している。加工食品輸入が増加しているが, 低食糧自給率のためではない。その生産性が低いことが原因だ。しかも生産性は低下傾向にあるが, 食品製造業の生産性に関する研究報告は少ない。
食品製造業は装置型高生産性群と労働型低生産群に分けられ, 前者の生性は製造業平均を上回る。生産性向上のために, 低生産性群は生産管理手法を取り入れ生産性を向上する必要がある。
労働生産性向上には, 技術進歩を示す全要素生産性 (TFP) 向上が重要であるが, 食品製造業のTFPは減衰している。これは新技術を取り込むために必要な, ITリテラシーなどのインタンジブル・アセットが不十分なこと, 古い体質により組織が活性化してないことが, 原因だと考えられる。

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